康生監督 大野の“しくじり先生”に?

 柔道のグランプリ・デュッセルドルフ大会に出場した男子日本代表が22日、成田空港に帰国した。73キロ級世界王者の大野将平(24)=旭化成=は優勝を飾り、リオデジャネイロ五輪代表へ大きく前進したが、井上康生監督(37)は決勝の内容に、“隙”を指摘。試合後、大野に自身の04年アテネ五輪での失敗談を語り、“しくじり先生”となって引き締めたことを明かした。

 大野は準決勝で世界ランク1位の安昌林(韓国)、決勝で同2位のオルジョフ(アゼルバイジャン)を優勢勝ちで下したが、井上監督は決勝について「組んでみて『投げることができる』という感覚があったんだろう。そこから雑さが出た」と分析。試合後、大野の第一声が「軽くみてました」だったこともあり、自身の経験を交えて諭したという。

 井上監督は04年アテネ五輪で2連覇を期待されたが、準々決勝で一本負けに終わった。それまでは00年シドニー五輪から、01年ミュンヘン世界選手権、03年大阪世界選手権とすべて一本勝ちの圧勝。「投げなきゃいけないという色気が出た自分がいた。勝負は一瞬。相手も五輪では必死に、しがみついてでも勝つ戦いをしてくる。いかに隙をつくらないかが大事」と、“俺みたいになるな”とばかりに大野に説いた。

 五輪代表争いをリードしている大野だが、4月の全日本体重別(福岡)に向け「まだ体重別がある。今回の結果に一喜一憂せずに、次に向けて稽古を積んでいきたい」と、気持ちを引き締めていた。

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