シャラポワ、禁止薬物使用 引退は否定
女子テニスの元世界ランク1位で、四大大会で通算5勝のマリア・シャラポワ(28)=ロシア=が7日、ロサンゼルスで会見し、1月の全豪オープンのドーピング検査で禁止薬物の「メルドニウム」に陽性反応が出たことを明らかにした。国際テニス連盟から、12日から暫定的な資格停止処分を受けることも決まった。今後については現役続行の意思を表明した。
前日に「重大発表」と予告され、米メディアは故障による引退表明の可能性を報じていた。だが、シャラポワの告白は予想を裏切る薬物違反。「大きな過ちを犯した」と神妙に話し、うつむいた。
不整脈の治療などに用いられるメルドニウムは、昨年は監視対象の薬物だったが、競技力向上を目的に服用した選手が確認され、ことしから禁止薬物に追加された。
シャラポワは医療目的で10年間服用し、昨年12月下旬に届いたメールにリンクされた改訂リストを「クリックしなかった」と説明した。ただ、“過失説”には疑問も残る。第一線を歩み続ける選手が重要な通知を見過ごしたというのはあまりにずさんだ。事前申請が認められれば、医療目的で使用可能だった。
日本アンチ・ドーピング機構によると、メルドニウムの資格停止期間は原則4年。シャラポワが医療目的だと証明できなければ軽減されないという。長期の資格停止となれば、直近1年間のポイントで決まるランクは下落し、イメージダウンも避けられない。
米紙などによると、時計メーカーのタグ・ホイヤーは契約更新しないと発表した。米誌フォーブス(電子版)によると昨年の収入は2950万ドル(約33億3千万円)。凋落(ちょうらく)を予感させるスターから、早くもスポンサーが離れ始めた。