萩野、連続五輪 骨折乗り越え決めた

 「競泳日本選手権・リオデジャネイロ五輪代表選考会」(4日、辰巳国際水泳場)

 4種目で決勝が行われ、男子400メートル個人メドレーは、12年ロンドン五輪銅メダルの萩野公介(21)=東洋大=が、派遣標準記録を切る4分8秒90で5連覇し、2大会連続の五輪代表を決めた。男子100メートル平泳ぎ準決勝は、5大会連続の五輪を目指す北島康介(33)=日本コカ・コーラ=が59秒62の全体1位で、5日の決勝に進出。女子400メートル個人メドレーは高橋美帆が1位、清水咲子(ともにミキハウス)が2位となり、そろって五輪切符をつかんだ。

 五輪の金メダルという高みを目指すからこそ、このタイムでは到底納得できない。萩野は首をひねりながら、「すごく悔しい。日本記録を狙っていたけど…」と、ため息をついた。予選から好タイムをたたき出し、決勝も3年前の自身の日本記録を超えるペースで飛ばしたものの、最後に失速した。

 4年に1度の一発勝負。エースといえども、緊張しないわけがなかった。前日もあまり眠れず「大丈夫なはずなのに、なぜか恐怖心があって…」と打ち明けた。決勝前のマッサージ中「早くレースが終わらないかな」と、珍しく弱音を吐いたという。

 昨年6月には、フランス合宿中に自転車で転倒して、右肘を骨折するアクシデントに見舞われ、世界選手権を欠場した。「4年前とは違って、すごく緊張した。(けがで)試合に出られなかったり。だからこそ強くなった部分もある」。平井コーチは「いろんな経験をして、余裕で五輪と思われていたけど緊張していた。記録は残念だが、心技体ともこれから強くなる」と及第点を与えた。

 けがを乗り越え、リオ切符は確実に手中に収めた。それでも、まだ重圧を力に変える“勝者のマインド”を身につけたとは言えない。「自分でも100%出せたとは思っていない。もっと心も強くならないと。必ず五輪本番でリベンジしたい」。この壁を越えた先に、金メダルが輝く。

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