桃田は無期限出場停止 リオ五輪消滅

 日本バドミントン協会は10日、都内で緊急理事会を開き、違法カジノ店で賭博行為をした男子のエース桃田賢斗(21)=NTT東日本=の日本代表強化指定を外し、無期限の試合出場停止処分を科した。金メダルも期待された桃田のリオデジャネイロ五輪出場はなくなった。桃田らを賭博に誘い、常習性が高かった12年ロンドン五輪代表の田児賢一(26)=NTT東日本=は、桃田より1段階厳しい無期限の協会登録抹消。ともに永久追放にあたる除名は免れたが、協会初の厳罰処分が科された。

 取り返しのつかない不祥事を起こした日本の新旧男子のエースに、厳しい処分が科された。世界ランク2位で、リオの金メダル候補にも挙げられていた桃田は、無期限の試合出場停止処分で五輪出場が消滅。常習性が高く、桃田らを賭博に誘った田児は除名の次に重い無期限の協会登録抹消。ともにバドミントン協会初の厳罰となった。

 NTT東日本によると、桃田は14年10月から15年1月に計6回程度賭け、計約50万円負けた。田児は14年10月から今年1月まで計60回程度行い、総額約1千万円負けた。賭博関与を認めた8人の処分を決める理事会は約1時間20分、非公開で行われた。最終的には銭谷欽治専務理事ら執行部が提案した2人への処分案が全会一致で採用されたが、一部理事からは除名を求める声もあったという。

 もっとも、ある理事が「自分たちでしっかり管理した方がいいということになった。まだ若いし、更生まで見届ける義務がある」と話したように、最終的には選手生命を絶つことは避けた形だ。

 会見には多くの報道陣が詰め掛けた。銭谷専務理事は無数のカメラのフラッシュを浴びながら「悲しいし、悔しい。手塩にかけて育てた子どもを崖から突き落とす感じ。苦しく思っている」と声を絞り出した。

 両選手とも反省の態度が認められれば数年後に処分が解除される場合もあるが、イバラの道が待ち受ける。期限について同専務理事は「半年ということはない。1年以上」と説明。両選手が20年東京五輪を目指すなら、五輪レースを戦う代表入りへ、せめて2年前の18年には復帰する必要がある。

 世間からの厳しい視線も向けられる中、再びはい上がれるのか。浅はかな好奇心で手を出した愚行の代償は重い。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス