リオ切符かけ田知本&山部メラメラ
「柔道・全日本女子選手権」(17日、横浜文化体育館)
体重無差別で争われ、リオデジャネイロ五輪78キロ超級代表最終選考会を兼ねた柔道の全日本女子選手権前日の16日、五輪代表候補の田知本愛(27)=ALSOK=と山部佳苗(25)=ミキハウス=が会場の横浜文化体育館で会見し、闘志を燃やした。田知本は昨年初優勝し、10年に9連覇を達成した塚田真希以来の連覇に挑み、山部は2年ぶり3度目の頂点を狙う。
リオ五輪の柔道女子日本代表最後の1階級は田知本か山部か。78キロ超級の2強は決戦前日に対照的な表情を見せた。
これが追われる者の重圧だ。田知本は「優勝した昨年は初めて見た景色。そこにもう一度上がりたいという気持ちが今まで以上に強い」と吐露。笑顔はなく、緊迫感を漂わせた。
昨年の世界選手権は2位。2月の国際大会を制して代表レースで一歩抜け出したが、2週間前の全日本選抜体重別選手権は準決勝で敗れた。17日は70キロ級代表を決めた妹の遥(ALSOK)がサポート役。優勝を逃しても姉妹代表の可能性があるが「あと少しで五輪に手が届く。自分の力でしっかりつかみたい」と文句なしの決定を狙う。
山部は大逆転に向け、豪快な勝ち方を伴った優勝にわずかな望みを託す。冬場の国際大会では表彰台を逃したが、選抜体重別優勝で踏みとどまった。「最後はどちらが執念を出せるか。日本一になって五輪に出たい」。順当なら田知本と当たる決勝に全てを懸ける。