バド闇カジノ 代表選手もう1人いた
日本バドミントン協会は18日、男子エースの桃田賢斗(21)=NTT東日本、12年ロンドン五輪代表の田児賢一(26)らの違法賭博問題を受けて実施した日本代表の調査結果を発表し、新たに1人の現役日本代表選手が闇カジノに出入りしていたことが判明した。氏名は公表せず、賭博行為についても当該選手は否定している。協会は19日に処分を決めるが、問題がさらに拡大する恐れも出てきた。
日本協会は桃田、田児らの闇カジノでのバカラ賭博発覚後、14年度以降に日本代表だった選手、スタッフの計106人を対象に書面でのアンケート調査を実施。その結果、1人の選手が田児と2人で錦糸町の闇カジノに出入りしていたことを申告。この日、協会は顧問弁護士とともに聞き取り調査を行った。
当該選手の氏名は公表されなかったが、関係者によると日本A代表の男子選手。調査に同席した日本協会の銭谷欽治専務理事によると、同選手は「田児選手に『ついてこい』と言われて、15年2月から3月にかけて2回行った。いずれも20分程度で先に帰った。違法の認識はなく、出してもらったジュースを飲んでいただけ」と説明したという。銭谷専務理事は「未成年ではないし、助成金も出ている代表という枠で考えれば、何らかの処分は避けられない」と話した。協会は19日に理事の承認を経て処分を決定する方針で、氏名の公表も検討する。
今後、問題はさらに拡大する恐れがある。田児と桃田が行った8日の会見で、NTT東日本は「他の実業団選手には声かけなどは一切していないと確認を取っている」と説明した。しかし、協会によると、今回の当該選手はNTT東日本以外の所属。大学生の可能性もあるとはいえ、田児らの証言との整合性には疑問符が付く。
また、田児は賭博を行ったきっかけを「飲みに行った後に客引きにあった」と説明しているが、違法カジノの形態を考えれば、疑問視する声も上がっており、証言の“嘘”が発覚した場合、再調査は避けられない事態となる可能性が高い。
リオ五輪の選考レースも終盤を迎え、来月5日には代表の決定も迫る中、日本バドミントン界を覆う暗雲は晴れる気配がない。