サンウルブズ 歴史を刻む初勝利!
「スーパーラグビー、サンウルブズ36-28ジャガーズ」(23日、秩父宮ラグビー場)
初参戦している日本チームのサンウルブズが、同じ参入1年目のジャガーズ(アルゼンチン)に36-28で逆転勝ちし、8戦目で歴史的初勝利を挙げた。サンウルブズは後半、2トライと3PGを重ねて逆転し、開幕からの連敗を7で止めて通算1勝7敗。次は5月7日に秩父宮でフォース(オーストラリア)と対戦する。
ノーサイドを待てなかった。29-28の後半39分、ゴール中央に勝利を決定づけるトライを決めたCTB立川が派手なガッツポーズをすると、フィフティーンが駆け寄り抱きついた。
SOピシがキックを決めた瞬間、試合終了。大歓声の中、フィールドとスタンドのだれもが一体となって、待ちに待った勝利を喜んだ。
産みの苦しみというべき激闘だった。PGで3点先制したものの、連続トライで逆転された。WTB笹倉のトライとゴールで追いつき、PGで逆転した直後、3つ目のトライを許し、前半を13-18で終えた。
だが、勝利への執念と結束力はサンウルブズが上回っていた。後半は一進一退の攻防の中、PGとCTBカーペンターのトライなどでじわじわと点差を縮め、26-28で迎えた31分、PGで逆転。ミスや反則が増えて失速するジャガーズに対し、最後まで集中力を保った。
空前のラグビーブームの中、日本中の期待を背負いながら、開幕から7連敗。とりわけ、16日のチーターズ(南アフリカ)戦では17-92の歴史的大敗を喫し、世界のカベの高さ、厚さを痛感させられていた。
この試合、チームの全員に期するものがあった。ハメット・ヘッドコーチ(HC)は「100%の力を出さないと前回のようになる。勝てなければ、あれが本来の姿と思われても仕方ないぞ!!」と鼓舞していた。
同HCは「コーチボックスにいて、最後は涙が出た。努力しても結果が出ず、つらかった。選手は苦しい中、厳しい練習を重ねていた」と、フィフティーンをねぎらった。
一人一人が自分の役割に徹し、最後まで闘争心をむき出しにしてもぎ取った初勝利。4月23日-。サンウルブズが日本ラグビー史に大きな足跡を刻んだ。