錦織 ナダルに阻まれ3連覇ならず
「男子テニス・バルセロナ・オープン」(24日、バルセロナ)
シングルス決勝で、3連覇を狙った世界ランク6位の第2シード、錦織圭(26)=日清食品=は、同5位の第1シード、ラファエル・ナダル(29)=スペイン=に4-6、5-7で敗れた。錦織はマイアミ・オープンに続いて出場2大会連続の準優勝となった。ナダルは今季初優勝した前週のマスターズ・モンテカルロ大会に続く2連勝で、ツアー通算69勝目。クレーコートでは49勝目で、1968年のオープン化以降の最多記録に並んだ。
無念と収穫が半ばする今季のクレー初戦だった。錦織はナダルに真っ向勝負を挑んだが、3連覇は果たせなかった。「ナダルとやるときは、彼のしぶとい守りで決め切れない。自分の(本来の)テニス以上に攻撃的にプレーして、その分ミスも出た」と悔しがった。
球足が遅いクレーコートではナダルの守備力と、スピンを利かせた球質が生きる。ブレークポイントは13度中、3度しかものにできなかった。高く跳ねる球でベースライン後方に押し込まれる場面も目立った。
精神的にも追い詰められ、第2セット第12ゲームではスマッシュに失敗して、珍しくラケットを投げた。準決勝までの相手とは格が違った。
それでも、クレーの王者と互角に渡り合ったのは事実で「辛抱強くなり、安定感が増した」と自己分析する。「今日は負けたが、自信もたくさん得られた」と話した。
赤土のシーズン最大の目標は全仏オープン。ナダルや、世界ランク1位のジョコビッチ(セルビア)ら格上の選手に勝たない限り、四大大会制覇は見えてこない。「トップ5の選手と戦うときは、全ての面でもう少し改善が必要」と現実を直視した。