「テニス・イタリア国際」（１３日、ローマ）

　男子シングルス準々決勝で世界ランク６位の第６シード、錦織圭（２６）＝日清食品＝は、同１５位の第１３シード、ドミニク・ティエム（オーストリア）に６－３、７－５でストレート勝ちし、この大会自身初のベスト４に進出した。準決勝では第１シードのノバク・ジョコビッチ（セルビア）と対戦。女子シングルス準々決勝で、世界ランク４５位の土居美咲（２５）＝ミキハウス＝は同３５位のイリーナカメリア・ベグ（ルーマニア）に２－６、６－７で敗れた。

　錦織が、２２歳の新鋭ティエムの挑戦をはねのけた。今季は四大大会などに次いで格付けが高いマスターズの初制覇を目標に掲げ、これまで４大会でベスト８、準優勝、前週のベスト４に続いて４強入り。「去年よりもおととしよりも確実にレベルアップできている」と充実感をにじませた。

　第１セット序盤で先手を奪われたが、冷静だった。２度目の対戦だったティエムはフォアに比べ「片手のバックハンドは威力が落ちる」と判断。緩急で目先を変えながら、相手のバック側を攻めて１－３から５ゲーム連取した。

　第２セットはブレークポイントを握りながらしのがれ、右の股関節を痛めて治療する場面もあったが、５－５の第１１ゲームでブレーク。２２日に開幕する全仏オープンの前哨戦での勝利に「自分の実力もついている」と右拳を突き上げた。

　準決勝は前週のマドリード・オープンで７連敗したジョコビッチに再び挑む。「体調さえ戻れば可能性がある試合ができる」と意欲をにじませた。