錦織圭 ジョコビッチにフルセット惜敗
「男子テニス・イタリア国際 準決勝」(14日、ローマ)
男子シングルス準決勝で第6シードの錦織圭(26)=日清食品=は第1シードのノバク・ジョコビッチ(28)=セルビア=に6-2、4-6、6-7で競り負け、この大会初の決勝進出を逃した。両者の対戦成績は錦織の通算2勝9敗となった。15日の決勝はジョコビッチと第2シードのアンディ・マリー(英国)の顔合わせ。
3時間を超えたフルセットの激闘は紙一重の勝負だった。錦織は互角のラリーで王者を追い詰めたが、最後はタイブレークで「勝ちを意識して硬くなった」とダブルフォールトなどミスが響いて力尽きた。「勝つチャンスもあった」と無念さをにじませた。
準々決勝で痛めた右股関節が万全でない中で、第1セットから「攻撃的にいけた」と鋭いバックハンドで揺さぶり、ドロップショットも効果的だった。コーチと対策を研究し「彼の動きや打つコースが読めた」と1年ぶりにセットを奪った。
第2セットは奪い返され、最終セットは壮絶な展開。2-4からブレークバックして反撃した。前週にも対戦し「光が見えた」というマドリード・オープンと比べて「さらに接近した試合ができた。もうちょっとですかね」と収穫も得た逆転負けだった。
2014年の全米オープン準決勝で勝利してから8連敗。それでも王者の背中に迫っている。22日開幕する全仏オープンの前哨戦で「最高に充実したテニスができた」と着実な一歩を刻んだ。