稀勢の里 無傷9連勝初V&綱とりへ

 「大相撲夏場所・9日目」(16日、両国国技館)

 14勝以上の初優勝で綱とりの可能性がある稀勢の里が豪栄道との大関対決を送り出しで制し、初日から9連勝を飾った。無傷9連勝は2場所連続で自身3度目。横綱白鵬は新関脇の勢を押し倒して同じく全勝をキープ。先場所に続き2人の一騎打ちムードとなった。1敗だった豪栄道、横綱日馬富士は2敗に後退した。

 勝利の土俵上で稀勢の里は小さくうなずいた。始まった運命の上位戦第1ラウンドとなる大関対決。1敗で追っていた豪栄道をねじ伏せ、全勝を守った。

 呼吸が合わず2度目で立つと左を差されたが、右腕で抱えて前に出た。左のおっつけで後退させ、最後は相手を後ろ向きにし、土俵外に突き飛ばした。

 「流れは良かったです。いいと思います。集中していた」。支度部屋では9日間変わらぬ言葉を繰り返し、最後に「ふーっ」と大きく息を吐いた。

 14勝以上の初優勝なら横綱昇進の可能性がある。大関在位27場所で2度の綱とりをはね返された経験もした。今だから、英才教育をたたき込んでくれた先代師匠の故鳴戸親方(元横綱隆の里)の言葉が分かる。

 この日の朝稽古では「入門前からレベルの高い話をしてくれていたんだなあ。気付くことも今と昔では違う感覚がある」と、しみじみ話した。先代師匠と同じく「横綱になって見える景色」を見ることが恩返しになる。

 1敗が消え先場所同様、横綱白鵬との一騎打ちとなってきた。10日目の相手は史上最多60度目の対戦となる大関琴奨菊(佐渡ケ嶽)。先場所はまさかの変化で下した因縁の敵だ。「一日一日に集中して。いい具合でやれていると思う」。白鵬との決戦前に負けられない。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス