稀勢11連勝 初V&綱とりへ手応え十分
「大相撲夏場所11日目」(18日、両国国技館)
14勝以上の初優勝で綱とりの可能性がある大関稀勢の里は、関脇勢を送り出し、自身3年ぶりとなる初日からの11連勝を飾った。横綱白鵬は大関琴奨菊をすくい投げで下し、ともに全勝を守った。新十両の宇良(23)=木瀬=は剣翔(追手風)に押し倒されて連勝は7で止まり、8勝3敗。
初優勝へ、綱とりへ、心も体も安定している。稀勢の里は、立ち合いで勢をがっちり受け止めて左を差した。相手の強引な小手投げにも動じることなく、スルリと背後に回って送り出した。初日からの11連勝は3年前の夏場所以来2度目で「体が動いている。集中できている」と手応えを感じ取った。
大関在位27場所目で、2ケタ勝利が20回と安定感は群を抜く。だが、2度の綱とり場所では序盤に敗れ、9回の準優勝を記録しながら優勝に手が届かないなど、精神面の弱さに泣いてきた。
もっとも、今場所は、過去の全勝時と比べても「いいんじゃないですか。毎日集中できている」と違いを実感。日に日に高まるファンの期待の声にも「ありがたい。(声援は)聞こえる。やることは変わらない」と落ち着き払っている。
八角理事長(元横綱北勝海)も「周りが心配する以上に、本人は落ち着いてやっているんじゃないか。先場所13勝して、連続して優勝争いをしている。これは評価できる」と褒めた。
3横綱1大関との対戦が控える残り4日。特に、白鵬には3年前の13連勝、そして先場所の10連勝を止められた。13日目での対戦が決定的だが「しっかり一日(一番)」と平常心を強調した。