日本、逆転飛翔“逸材”石川が19点
「バレーボール男子・リオデジャネイロ五輪世界最終予選、日本3-1ベネズエラ」(28日、東京体育館)
開幕し、08年北京大会以来2大会ぶりの五輪出場を狙う世界ランキング14位の日本は同20位ベネズエラに3-1と逆転勝ちし、白星発進した。29日は同19位の中国と対戦する。第1セットを26-28で落とした日本は石川祐希(20)=中大、柳田将洋(23)=サントリー=の活躍で第2セットを奪い、その後も出耒田敬(24)=堺=らの攻撃がさえて押し切った。
2大会ぶりの五輪出場を目指す日本男子が白星スタートを飾った。4年に1度の緊張感で動きが硬くなり、第1セットこそ奪われたものの逆転。南部正司監督(48)は「スタートダッシュが大事だったので本当に大きい。選手がコートの中でしっかり立て直してくれた」と胸をなで下ろした。
大熱狂のコートのど真ん中には、新世代を担う若き千両役者がいた。“日本バレー史上最高の逸材”と呼ばれる20歳のエース石川が、五輪予選という大舞台でも「特に緊張はなかった」と強心臓を発揮。チーム全体が動きを取り戻すとともにグングン調子を上げ、チーム2位の19得点を挙げる大活躍。「上の選手から声をかけていただいたので、いつも通りにプレーできた」と汗をぬぐった。
昨年のW杯でも活躍した石川や柳田ら若手イケメン選手の人気が爆発した。前売り券はほぼ完売。この日は開場前から600人のファンが列を作り、女性ファンが一挙手一投足を捉えようと一眼レフを構えた。若きエースが躍動する度に、観衆1万人の黄色い声が「石川!!石川!!」の大合唱。石川本人も「応援がモチベーションになる」とさわやかなスマイルを見せた。
29日はアジアのライバル・中国と対戦。石川は「あしたは絶対に負けられないので、また頑張る」と静かに闘志を燃やした。空前絶後の“フィーバー”を背に、リオ切符をつかみ取る。