21歳ベイカー優勝!リオへ「自信に」
「柔道・マスターズ大会」(29日、メキシコ)
リオ五輪代表で男子90キロ級のベイカー茉秋(東海大)が優勝した。21歳のベイカーは準決勝で世界選手権優勝3度のイリアス・イリアディス(ギリシャ)を破り、決勝はフセン・ハルムルザエフ(ロシア)を延長の末に下した。男子100キロ超級代表、原沢久喜(日本中央競馬会)と女子78キロ超級代表、山部佳苗(ミキハウス)は3位に終わった。
互いに技でポイントを奪えずゴールデンスコア方式の延長にもつれ込んだ男子90キロ級決勝。ベイカーは疲労が見えた相手を腰に乗せて投げ、有効で勝負を決めると胸の日の丸を誇らしげにたたいた。
敗戦目前だった残り約10秒で相手が指導を受け、もつれ込んだ延長だった。「疲れたが、気持ちで勝った」と喜んだ。
準決勝では10年以上も世界トップレベルで闘うイリアディスに優勢勝ち。憧れの存在を破り「本当に自信になる」と笑顔で大粒の汗を拭った。井上康生監督も「対戦したがっていた相手とやれた上に、勝つこともできた。価値のある大会になった」と評価した。
旧86キロ級を含め、日本人の五輪王者は過去一人もいない厳しい階級で弾みをつけた。「夢の五輪制覇に向けて、これから日々を大切にしていきたい」と、達成感を胸に次へ向かう。