伊東氏「楽にして」桐生に自身超え期待
「陸上・日本学生個人選手権」(11日、BMWスタジアム平塚)
男子100メートルが行われ、日本人初の9秒台の期待が懸かる桐生祥秀(20)=東洋大=が準決勝で13年織田記念国際で出した自己ベストに並ぶ日本歴代2位の10秒01(追い風1・8メートル)をマーク。リオデジャネイロ五輪の派遣設定記録(10秒01)を突破し、初の五輪出場に大きく前進した。注目された決勝では10秒10(向かい風0・3メートル)に終わり9秒台は持ち越しとなったが、五輪最終選考会の日本選手権(24日開幕・瑞穂)を前に、大きな手応えをつかんだ。
会場で桐生の走りを見た、日本記録保持者で日本陸連の強化副委員長を務める伊東浩司氏は「風が2メートル近く変わる(準決勝追い風1・8メートル、決勝向かい風0・3メートル)と走りが必然的に変わる。ちょっと厳しかったかな」と条件の変化を惜しみつつ、「力感が緩やかで、ゴール前も余力があった」と、進化した走りを評価した。日本選手権に向け「ぜひいい記録で走ってほしい。桐生も私も早く楽にしてほしい」と、笑顔でエールを送った。