柔道・原沢リオへ復調団体V
「柔道・全日本実業団体対抗大会」(12日、KIRISHIMAツワブキ武道館)
体重無差別5人制で争う男子1部は、リオデジャネイロ五輪100キロ超級代表の原沢久喜(23)を擁する日本中央競馬会が7年ぶり3度目の優勝を遂げた。決勝で4連覇中の旭化成Aを2-1で破った。原沢は初戦の2回戦から3試合全てに出場し、2勝1引き分けで貢献した。旭化成Aは100キロ級の羽賀龍之介らリオ五輪代表3人が出場を見送った。
強行出場は“吉”と出た。日本中央競馬会を7年ぶりの頂点に導くと「最低限の闘いができた」。原沢がリオ五輪での金メダル獲得に向け、復調をアピールした。
5月に腰を痛め、同月末のマスターズ大会(メキシコ)では期間中に気管支炎を発症した。結局、3位に終わり、国際大会での連続優勝は7でストップ。日本中央競馬会の賀持道明監督は今大会の欠場を検討していたが、原沢本人が「所属先のために団体戦で勝ちたかった」と“おとこ気”を示し、畳に立った。2試合連続の一本勝ちで決勝進出に貢献。2-0で迎えた決勝の副将戦ではきっちりと引き分け、山口・早鞆高や日大時代も経験していない団体戦の全国制覇を成し遂げた。
日本代表は13日に宮崎県延岡市に集合し、合宿が始まる。視察した日本代表の井上康生監督も「ここからが大事。彼も五輪モードに切り替えるだろう」とうなずいた。「腰は痛くないし、気管支炎も良くなっている。合宿ではどんどん自分を追い込んでいきたい」と原沢。実戦で大きな手ごたえをつかんだ。