桐生、山県、ケンブリッジ9秒台お預け
「陸上・日本選手権」(24日、パロマ瑞穂スタジアム)
男子100メートル準決勝は、9秒台の期待がかかるケンブリッジ飛鳥(23)=ドーム=が10秒25の全体トップで、山県亮太(24)=セイコーホールディングス=は10秒26、桐生祥秀(20)=東洋大=は10秒29で、それぞれ全体の2、3位で25日の決勝に進出した。
注目の男子100メートルは、準決勝から静かな火花が散った。同組だった山県と桐生は、スタートから2人で抜け出すと、最後まで互いの様子をうかがいながら、ほぼ並んでゴールした。
10秒26でわずかに先着した山県は「桐生を意識はしましたね」と笑いながら「悪くない走り」と納得の表情。10秒29だった桐生は「勝ちたかったけど勝負は決勝なので」と、自らに言い聞かせるように話した。
別組のケンブリッジも、力強い走りで全体1位の10秒25を記録。「余裕がある」と決勝への手応えを口にした。
決勝では3強が五輪切符、そして日本人初の9秒台を懸けて激突する。山県が「決勝は優勝もタイムも両方狙っていく」と腕ぶせば、桐生は「爆発したい」と激走を宣言。ケンブリッジも「タイムはまだ伸ばせる」と、“10秒00の壁”突破に自信を見せた。
史上最高レベルの死闘の先に、日本陸上界の新たな歴史の扉が開かれる。