「陸上・日本選手権」（２５日、パロマ瑞穂スタジアム）

　日本最速を決める男子１００メートル決勝は、ケンブリッジ飛鳥（２３）＝ドーム＝が１０秒１６（向かい風０・３メートル）で初優勝を飾り、リオデジャネイロ五輪代表に内定した。０秒０１差の２位に山県亮太（２４）＝セイコーホールディングス＝が入り、２大会連続となる五輪代表が確実となった。

　０・０１秒差で２位に終わった山県はショックを隠しきれなかった。「強かったですね」とケンブリッジをたたえると、「最後は勝ったかなと思ったけど、抜かれていた」と追い上げに脱帽した。

　「日本一へしっかりコンディショニングして勝ちにいったレース。狙いにいって勝てず悔いが残る」。今季は桐生とのライバル関係に注目が集まり、４度対戦して３度先着した。しかし“３強”の中で頂点に立てなければ「まだ力が足りない」と思うしかない。

　一方で「決勝のスタートはイメージどおりに切れた」と、中盤過ぎまでの加速には手応えを感じている。「予選から９秒台を狙って走れる状態にしたい」。代表選出が確実なリオ五輪ではライバルたちに、先を許すつもりはない。