飯塚圧倒 日本歴代2位でリオ切符
「陸上・日本選手権」(26日、パロマ瑞穂スタジアム)
男子200メートル決勝は、12年ロンドン五輪代表の飯塚翔太(25)=ミズノ=が日本歴代2位の20秒11をマークし、3年ぶり2度目の優勝で2大会連続の五輪代表を決めた。今季世界ランク10位の好記録で、五輪決勝進出も見えてきた。2位の高瀬慧(富士通)は日本陸連が定める派遣設定記録を既に突破しており、代表入りは確実。6位に終わった藤光謙司(ゼンリン)も派遣設定記録をクリアしており代表入りの可能性があるが、レース中に足を負傷した。この日は7人(うち2人は他種目で内定)が代表に内定。残る代表は27日の理事会で決まる。
群雄割拠の戦国時代を抜け出したのは、10年世界ジュニアで金メダルを獲得し“和製ボルト”の異名を持つ25歳だった。飯塚はカーブを終えた時点で先頭に立つと「まだ一段階ギアを残せていたので自信があった」と直線でライバルたちを圧倒し、「気持ち良かった」と大きくガッツポーズした。今季世界ランク10位の好記録でリオ切符をもぎ取り、「1位で決めればいいと思っていたけど、まさか自己ベストを出せるとは」と興奮を隠せなかった。
昨年は世界選手権代表から落選。「見るつもりはなかったけど、たまたま(宿泊先の)温泉のテレビで200メートル準決勝をやってたので見た」。サニブラウンらが台頭するのを指をくわえて眺め、雪辱の日を待ち続けた。
ライバルのことを考えない日はない。練習だけでなく、生活面を見直し、シューズを特注するなどできることは何でもやった。「(欠場した)サニブラウン君もそうだし、日々気を抜けない状況にしてくれたライバルに感謝してます」
“獣の力”も借りた。食事にこだわる中で、高タンパクで低脂質の馬肉、羊肉を週1回頬張った。昨年7%だった体脂肪率は4%まで減少。「後半バテなくなった。(体は100メートル覇者の)ケンブリッジ君にも負けてないと思う(笑)」と肉体改造も奏功した。
4年間の真価を見せる戦いに臨む。「ロンドンは出られて『やったー』という感じで勝負する気持ちじゃなかった。今回は五輪で勝負するためにやってきた。目標はとりあえず準決勝進出。19秒台の選手と戦えば何かつかめると思う」。本家ボルトにも挑戦状がわりの快走を見せつける。