錦織、ウィンブルドン5年連続初戦突破
「テニス・ウィンブルドン選手権」(27日、ロンドン)
男子シングルス1回戦で世界ランク6位の第5シード、錦織圭(26)=日清食品=は世界124位のサミュエル・グロート(オーストラリア)をストレートで下し、5年連続で初戦を突破した。2回戦は世界547位のジュリアン・ベネトー(フランス)と対戦する。
巧みなリターンで流れをつかみ、錦織がサーブで時速263キロの世界最速記録を持つグロートを攻略した。球足の速い芝で「一番やりたくない」難敵の対策を重ね、苦手意識もある今大会で最初の関門を突破。「一番の収穫はリターン。感覚を忘れずに次もやりたい」と笑顔で手応えを口にした。
狙い通りだった。グロートには193センチの長身から230キロ近いサーブで15本のエースを決められたものの、立ち位置を変えながら「速くてもコースが読めていた」と食らい付いた。第1セットは第5ゲームで先にブレークして主導権を握り、第2セットは好リターンでストローク戦に持ち込んでミスを誘った。
第3セット前にメディカルタイムアウトを取り、前哨戦のゲリー・ウェバー・オープンで負傷した左脇腹に「少し痛みがあった」とマッサージを受ける場面もあった。体調は「万全でない」と認めるが「タフな相手に3セットで勝てたのが大きい」と表情は暗くない。
ウィンブルドンは四大大会で唯一8強入りがなく、2年前のベスト16が最高だ。今大会は「最低でもベスト8」を目標に掲げる。昨年は左脚負傷で2回戦を棄権したが「今回は大丈夫だと思う」と不安を打ち消した。