山県9秒台か決勝進出で5000万時計
リオデジャネイロ五輪の陸上男子100メートル代表、山県亮太(24)が30日、都内で開かれた所属するセイコーホールディングスの壮行会と会見に臨んだ。同社の服部真二CEOは、山県が2度目の大舞台で日本人初の9秒台か、日本男子84年ぶりの決勝進出を果たした場合、特別ボーナスとして同社の技術を結集した特注の腕時計を贈呈することを発表した。
日本人初の9秒台を巡り、熱い戦いが繰り広げられている男子100メートルで、またも大きな“ニンジン”がぶら下げられた。山県モデルの超高級腕時計の可能性を聞いた山県は「ビックリ。そんな素晴らしいものをいただける可能性があるとは」と目を丸くした。
服部CEOによると、現在、同社で最も高い時計は、葛飾北斎が描いた「富嶽三十六景」をモチーフに、独自の彫金と漆芸を施したトゥールビヨン限定モデル「FUGAKU」で約5000万円。山県が初の9秒台か、五輪ファイナリストになった場合の特注時計について、同CEOは「それ以上になる」と明言した。歴史的タイムや、リオデジャネイロの風景がデザインされるという。
男子100メートルではケンブリッジ飛鳥の所属するドームが、日本人初の9秒台を達成した場合、1億円のボーナスを発表している。各所属先によるバックアップは、偉業達成へさらなる“追い風”となりそうだ。
日本選手権では優勝したケンブリッジに0秒01及ばず2位だったが、今季の安定感ではNo.1といえる山県。今後は7月23日の実業団・学生対校陸上(平塚)に出場し、リオの舞台へ乗り込む。「9秒台とファイナル進出が最大の使命」。究極の走りで、“ビッグドリーム”をつかみ取る。