綱とり目指す稀勢の里、白鵬破り初優勝へ望みつなぐ

 「大相撲名古屋場所・14日目」(23日、愛知県体育館)

 綱とりに挑む大関稀勢の里は、横綱白鵬を土俵際で突き落とし、平幕の貴ノ岩とともに3敗を守り、初優勝に望みをつないだ。2敗の横綱日馬富士は大関豪栄道を上手投げで退け、単独トップをキープ。日馬富士が千秋楽で白鵬に勝つと、4場所ぶり8度目の優勝が決まる。日馬富士が負けて12勝で並んだ場合、優勝決定戦となる。

 俵にかけた左足一本で稀勢の里が生き残った。2度目の立ち合い、白鵬のかち上げから一気に土俵際に追い込まれたが、左で突いて左にひらりと回った。最後は突っ込む横綱を上から突き落とした。

 結びでの大逆転劇に座布団が乱舞。熱狂の中、大関はのっしのっしと花道を引き上げた。内容より欲しいのは結果だけ。「最後だけですね。良かったです」。対戦成績で13勝43敗だった天敵を打ち破り、貴重な11勝目をつかんだ。

 前日、日馬富士に完敗し、3敗目を喫した。2場所連続で13勝を挙げ、今場所の綱とりの絶対条件は初優勝。それが大きくかすんだ。

 だが、一夜明けて朝稽古では開き直っていた。「ゲン直しとかじゃない。一喜一憂してる場合じゃない。爆睡した。(目覚めも)最高だよ」と冗舌。さらに、重圧満載の今場所に「楽しませていただいている…。いや楽しくはないか」と、一人乗り突っ込みで笑い飛ばした。

 日本中の期待を背負う2場所連続の綱とり。八角理事長(元横綱北勝海)は横綱昇進について、あらためて「優勝しないと」と明言した。千秋楽で豪栄道に勝って、日馬富士が敗れ、優勝決定戦に持ち込んで逆転優勝するという、わずかな望みに託す。

 対戦成績で3連勝中の豪栄道を退ければ12勝目。八角理事長は優勝を逃しても、12勝すれば秋場所も綱とりになるとの見解を示した。「集中してやるだけ。しっかり出し切る」。あと一番、夢をつなげるために勝つのみだ。

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