錦織、バブリンカ圧倒し決勝進出 打倒王者へ「近づいている」
「テニス・ロジャーズ・カップ」(30日、トロント)
男子シングルス準決勝が行われ、第3シードの錦織圭(26)=日清食品=は第2シードのスタン・バブリンカ(スイス)をストレートで破り、この大会で初めて決勝に進んだ。もう1試合は、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第10シードのガエル・モンフィス(フランス)を6-3、6-2で下した。対戦成績は錦織が8連敗中で、2勝9敗。リオ五輪の前哨戦でもある今大会はツアーでも格が高いマスターズで、錦織は初制覇が懸かる。
目の前の1ポイントに全神経を注ぎ、視界には相手しか入らない-。錦織が持ち前の集中力と粘りを発揮し、四大大会2度の優勝を誇るバブリンカを破った。「厳しいゲームが続いた。紙一重の試合だった」と充実感を漂わせた。
第1セットは劣勢が続いた。5-6の第12ゲームでは15-40とセットポイントを握られ、タイブレークでも4-6と追い込まれた。だが「サーブとストロークで焦らないように心掛けた」と言うように、攻守のバランスを保って勝機をうかがった。
4度目のセットポイントをしのぐと、相手が根負けしてミスを重ね、形勢は逆転した。第2セットもショットの精度は落ちず、5-0と一気にリードを広げた。
マスターズでは3度目の決勝進出にも「前はもう少しわくわくやうれしさがあったが、意外と冷静に来た」と言う。初制覇には14年の全米オープンを最後に勝っておらず、今年5度目の対戦となるジョコビッチが立ちはだかる。「彼に対しての自信もついてきた。だいぶ近づいている」と打倒王者を期した。