錦織マスターズ初V逃す ジョコビッチに9連敗
「テニス・ロジャーズ・カップ」(31日、トロント)
男子シングルス決勝が行われ、第3シードの錦織圭(26)=日清食品=は第1シードのノバク・ジョコビッチ(29)=セルビア=に3-6、5-7で敗れ、準優勝だった。ツアーで格が高いマスターズで3度目の決勝進出だったが、初優勝はならなかった。ジョコビッチは錦織に9連勝。今季7度目の優勝でマスターズは30勝目、通算66勝目を手にした。優勝賞金は約78万3千ドル(約8千万円)。
近づいているように見えたマスターズ初優勝はまだ遠かった。世界1位のジョコビッチの壁にはね返された錦織は「もっとこういう戦いを経験しないといけない。少しずつ通用するショットや彼の苦手なところも見えてきた」と言い、敗戦の中にわずかな収穫も手にした準優勝だった。
ジョコビッチが試合開始から全力で圧力をかけ続けてきた。錦織は第2セットの第6ゲームで初めてブレークに成功したが、互いに高い位置を保って打ち合うラリーで先に崩れ、「徐々にプレッシャーを受けてミスになった」と落胆した。
大会前は左脇腹の不安もあったが5試合を戦い抜き、次戦のリオ五輪へ期待が膨らむ内容だった。日本のエースは「北京、ロンドンと2度(五輪を)経験しているので」と重圧を受け止め、名誉だけの戦いへ挑む。