東京五輪 盛り上がりの鍵はリオで不振の団体球技の復活

 日本選手団のメダルラッシュに沸いたリオデジャネイロ五輪が閉幕した。柔道、競泳、体操、レスリングを中心とした元々期待値の高かった競技に加え、卓球、バドミントン、テニスというラケット種目が奮闘。苦戦が予想された陸上でも2つのメダルを獲得するなど、ロンドン五輪の38を超える歴代最多の41個のメダルを獲得したが、20年東京五輪に向けて、唯一物足りない点があったとすれば、団体球技でのメダルがなかったことだ。

 12年ロンドン五輪ではサッカー女子“なでしこジャパン”が五輪で初のメダルとなる銀メダルに輝き、バレーボール女子も28年ぶりのメダルとなる銅メダルを獲得した。08年北京五輪以前は、その北京で金メダルを獲得したソフトボールと、シドニー五輪銀メダルなどの野球があり、日本が団体球技でメダルを逃すのは88年ソウル五輪以来、28年ぶりのことだった。

 今回、新種目のラグビー7人制男子の4強入り、12年ぶり出場のバスケットボール女子の8強入りは大健闘といえたが、他の種目は厳しい現実を突きつけられた。前回銅メダルのバレーボール女子は、1次リーグで2勝3敗。準々決勝で米国に完敗した。バスケと同じ8強だったが、上位国との力の差は歴然だった。前回銀メダルのサッカー女子は最終予選敗退で出場権すら逃した。ともに世代交代がうまく進まず、日本独自の戦術も研究され、機能しなかった。1次リーグ敗退となったサッカー男子、ホッケー女子、水球男子、ラグビー女子にも世界の壁は厚く立ちはだかった。

 ブラジル国内では、サッカー男子の金メダルで、リオ五輪は最終的に“ネイマールの大会”になったとされている。日本でも1964年、最初の東京五輪のバレーボール女子で金メダルを獲得した“東洋の魔女”がそうであったように、団体球技の活躍はその五輪の国民の盛り上がりを左右する。

 4年後は、ほとんどの競技が開催国枠で出場権を獲得するほか、追加種目で野球、ソフトボールが復活する。総括会見で日本選手団の橋本聖子団長は、団体球技の強化などのためにも、国に強化費拡充を要求していく考えを示した。大会の象徴となるようなチームが現れるかどうかが、東京五輪の盛り上がりの鍵を握る。(デイリースポーツ・大上謙吾)

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