稀勢の里のV綱とリ「期待できない」日馬に8戦全敗で横審バッサリ
「大相撲秋場所」(11日初日、両国国技館)
横綱審議委員会(横審)の稽古総見が2日、東京・両国国技館内の相撲教習所で行われた。3場所連続の綱とりに挑む大関稀勢の里(30)=田子ノ浦=は、先場所優勝の横綱日馬富士に8戦全敗するなど2勝10敗と精彩を欠き、横審の守屋秀繁委員長(千葉大名誉教授)は「ダメじゃないですか。あんまり期待できない」と苦言を呈した。また、横綱白鵬(31)=宮城野=は左ヒザ痛のため欠席した。
綱とり場所に臨むとは思えないような、気迫が伝わってこない稽古だった。稀勢の里は同じ大関の豪栄道に2勝1敗、照ノ富士に1敗と苦戦し、日馬富士の三番稽古(同じ相手と続けて取る)に指名されると、圧倒されるばかりで8戦全敗。横審の面々にアピールできないまま終わった。
綱とりの条件である優勝をつかむためには、日馬富士は超えなければならない相手のはず。それでも、稽古の後の稀勢の里は「良くも悪くもという感じ。(相手は)横綱ですから、あんなもんじゃないですか」と、淡々と振り返った。
稽古を見届けた日本相撲協会の八角理事長も「なんとなく気持ちが乗っていなかった気がするね」と物足りない様子。「(綱とりが)数場所続いているからね。疲れも出るだろうし。注目されるのはきついと思うよ」と、長期にわたるプレッシャーにさらされる身を思いやった。
しかし、横審の守屋委員長の評価は厳しかった。「元気がない?その通り、巡業に行って疲れが残っている感じだ。十分に稽古を積んでいないのではないか」と、調整不足を指摘。さらに、「ダメじゃないですか。稽古で勝てないのは本番でも勝てない。あんまり期待できない」と一刀両断に切り捨てた。
11日の初日まで、あと1週間あまり。稀勢の里は「明日からもしっかり調整してやりたい。いい状態で迎えられるように。(修正点は)自分がしっかり分かっています」と話したが、本場所までに元気な姿を見せることができるだろうか。