大相撲稀勢の里がエンジン全開宣言 琴奨菊との10番勝負で8勝
「大相撲秋場所」(11日初日、両国国技館)
二所ノ関一門による連合稽古が4日、千葉県松戸市の佐渡ケ嶽部屋であり、綱とりの大関稀勢の里(30)=田子ノ浦=は、かど番の大関琴奨菊(32)=佐渡ケ嶽=を相手に10番で8勝。「力を出し切る稽古ができた。だいぶ体がキレてきた」とエンジン全開を宣言した。
お互い低い姿勢からの立ち合い後には、喉輪の応酬。連合稽古2日目で実現した激しい大関対決の主役は、稀勢の里だった。左頰ににじむ血も気にせず前に出て、初場所で賜杯を手にした先輩大関を圧倒。「どっしりした強さがあり、慌てない」と気迫を認めさせた。
悲願の初優勝へ、周囲の期待も高まる綱とりの15日間。3月場所で経験した琴奨菊は「余裕がなくなり、厳しくなってくる。ホンマにつらいと思う」とぼそり。一門の尾車親方(元大関琴風)は「人間だから集中できず、もったいない日が出てくる。そこで勝つから『さすが』となる」。稀勢の里が先場所の10日目、4連敗中の前頭松鳳山に突き落とされた一番を挙げ、集中力の維持を課題に挙げた。
そんな助言を知ってか知らずか、稀勢の里は「集中して番数を決めている」ときっぱり。心のスタミナ強化にも余念がない。