錦織 ズバリ作戦勝ち2年ぶり8強!次戦はマリー!リオの雪辱で準々決勝の壁破る

 「男子テニス・全米オープン」(6日、ニューヨーク)

 男子シングルス4回戦で、世界ランキング7位の錦織圭(26)=日清食品=は世界23位のイボ・カロビッチ(37)=クロアチア=に6-3、6-4、7-6で快勝し、準優勝した2014年以来、2年ぶりのベスト8進出を果たした。錦織の四大大会の8強入りは1月の全豪オープン以来。準々決勝は7日(日本時間8日)に行われ、第2シードのアンディ・マリー(英国)に挑む。

 211センチの長身のカロビッチに完勝した。ベスト8入りを決めると錦織は力強くこぶしを握り「作戦勝ちの部分がある。3回戦までよりレベルを上げたプレーができて満足している」。消化不良の試合が続いた日本のエースに笑みが戻った。

 第1サーブの確実性を重視した。相手の苦手なゾーンを突き、つかんだ主導権を渡さなかった。リターンではコースを読み切り、付け入る隙を与えなかった。「サーブもリターンもやっと良くなってきた」と、安どの表情を浮かべた。

 第1サーブの不調が続いていた。平均速度が約175キロだった1、2回戦は成功率が55%と56%にとどまり、3回戦では約172キロに抑えながら、46%にまで落ち込んだ。この日は「確率を上げてプレーすることを心掛けた」ことで、さらに約171キロに落ちたが、確率は最低ラインの目安となる60%に上昇した。

 第1セット、最初の二つのサービスゲームはともに4連続ポイントでキープ。このリズムの良さを「データを基にヤマが当たった」というリターンにつなげて、第4ゲームをブレークした。第2セットも第1ゲームでブレークに成功し、相手が得意なサーブで勢いに乗るのを封じた。自身は一度もブレークを許さない完勝だった。

 準々決勝は、錦織が「リターン力は一番ある」とにらむA・マリーが相手。サーブが決まらなければ、完敗したリオ五輪準決勝のように苦戦は必至だ。四大大会の準々決勝進出はこれで6度目となったが、準決勝以上に進んだ経験は、準優勝した2年前の全米しかない。大一番を見据えて「ここからもっと集中力を上げていきたい」と力を込めた。

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