錦織2年ぶり4強 A・マリーにリオのリベンジ!
「テニス・全米オープン」(7日、ニューヨーク)
男子シングルス準々決勝で第6シードの錦織圭(26)=日清食品=が第2シードのアンディ・マリー(英国)をフルセットの末に下し、準優勝した14年以来のベスト4進出を果たした。9日(日本時間10日)の準決勝では、ここまで錦織の2勝3敗の第3シード、スタン・バブリンカ(スイス)と対戦する。錦織は、第4セットから2セットを連取して逆転勝ち。リオデジャネイロ五輪準決勝では完敗したA・マリー戦の連敗は4で止まり、通算2勝7敗となった。
勝利の女神は、高い集中力で攻め続けた錦織にほほ笑んだ。最後は渾身(こんしん)のフォアを振り抜くと、A・マリーの返球がネットにかかった。3時間58分の熱戦が終わると両手を突き上げた。「観客の声援が聞こえないほど集中していた。最高の試合だった」。センターコートの大歓声を一身に浴びた。
序盤はミスが多かったが、第2セット途中の雨による中断で落ち着きを取り戻した。再開後は戦術を変更。ベースラインから下がらずに攻め、守備的な相手にドロップショットやネットプレーを多用した。「雨に助けられた」と立て直し、競り合いに持ち込んだ。
第5セット、4-3の第8ゲームを40-0からキープできずに追いつかれた。「かなり勝利に近かったので落ち込んだ」と第2シードの底力に屈しそうになったが、前向きな姿勢だけは保った。
第11ゲームをブレークし、勝利を引き寄せた。第2セット以降のブレークポイントは10本中9本を奪取。「しっかりリターンを入れて攻めることができた。きょうは大事なポイントでミスがなかった」と胸を張った。
A・マリーとは3月の国別対抗戦、デ杯で約5時間の試合で敗れ、8月のリオデジャネイロ五輪準決勝では完敗した。同五輪で日本代表を率いた植田実・日本協会強化本部長もセンターコートの観客席で勝利を見届け「(五輪の雪辱は)彼が一番思っていたはず。尻上がりにテニスが良くなっている」と、たたえた。大舞台で大きな壁を乗り越え、2年ぶりのベスト4入りを果たした。