綱とり稀勢の里、場所入り前日も朝稽古で汗
「大相撲秋場所」(11日初日、両国国技館)
いよいよ始まる大勝負へ、居ても立ってもいられなかった。場所入り前日で休養する力士も多い中、綱とりの大関稀勢の里(30)=田子ノ浦=は東京都江戸川区の所属部屋で「休んでいられないから」と、朝稽古に汗を流した。
報道陣から「いよいよ」と意気込みを問われて「そういう気持ちで調整してきた」。綱とりの重圧を正面から受け止め、土俵祭りでは鋭い目つきで真新しい土俵を見つめ続けた。
八角理事長(元横綱北勝海)は、綱とりの条件について「審判部から話が出てくるから」と明示こそしなかったが「優勝」の言葉に反応。期待を込めて「それは必要でしょう。堂々とした相撲を見せてくれれば」と即答した。
稀勢の里が自己最多タイの13勝を続けたことしの春と夏両場所は、それぞれ初日から10、12連勝。一方で大関昇進以降、初日を落とした4場所はいずれも2桁勝利を逃しており「序盤が大事になる」と分析する。
夏巡業前半の休場や稽古総見での対日馬富士8戦全敗など、つまずきもあった。それでも最後は「いい状態。仕上がってきた」と稽古を締めくくった。自身が「集大成」と表現した土俵へ、さあ待ったなし。