エース・錦織温存も若手が奮起 ダニエル、西岡が連勝しWG残留に王手

 「男子テニス国別対抗戦・デ杯ワールドグループ入れ替え戦、日本-ウクライナ」(16日、靱TC)

 シングルス2戦が行われ、第1試合は世界ランク88位のダニエル太郎(23)=エイブル=が、セルジー・スタホフスキーに7-6、7-6、6-1でストレート勝ちし先勝。第2試合は、同96位の西岡良仁(20)=ヨネックス=が、同50位のイリヤ・マルチェンコを6-4、5-7、6-4、7-5で撃破した。日本はエースの錦織圭(日清食品)を温存しながら2勝0敗とし、WG残留に王手を懸けた。

 エース温存という“錦織ショック”を受けたのは、チケットを買ったファンだけではなく、対戦相手も同様だった。前日の組み合わせ抽選では、対錦織を想定し、初日のシングルスには2番手格のスタホフスキーを温存し、3番手格のアルテム・スミルノフを起用してきたウクライナ。ところが、錦織が名を連ねたのはダブルスのみで、フィリマ監督は「とてもサプライズだ…」と面食らっていた。

 ルール上、初日のシングルスは発表後のメンバー変更はできないはずだった。しかし、ウクライナ陣営は、直前になってスミルノフの体調不良を理由にスタホフスキーにチェンジし、承認された。

 何としても勝ちに来た相手を返り討ちにしたのは、気鋭の23歳・ダニエルだ。急に対戦することになったスタホフスキーは前後左右に揺さぶってきたが、驚異の粘りで2セット連続でタイブレークを制し、相手の心を折った。流れを呼び込む先勝に「錦織選手がいなくても勝てるチャンスはある」と胸を張った。

 さらに、第2戦ではシングルス初出場の西岡もストローク戦を制し、相手の1番手を撃破した。「いつも錦織選手に頼ってばかりだったけど、少しは楽をさせられた」と安どの表情を見せた。

 「相手のメンバーチェンジはある程度予測してた」と植田実監督。見事に采配は的中し、抜てきした2人が結果を出した。チームとしての成長を証明し、「0勝2敗も覚悟していたが若手の想像を超えた力に懸けた。この2勝は大きい」と目尻を下げた。

 17日のダブルスでは、満を持して錦織が登場予定。若手に負けじと、エースがWG残留をきっちり決める。

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