稀勢の里、横綱との対戦前に3敗目…綱とり絶望的
「大相撲秋場所・11日目」(21日、両国国技館)
同級生大関対決は豪栄道が稀勢の里を渡し込みで倒し、自身最多の無傷11連勝で単独トップを守った。綱とりの稀勢の里は3敗となり、今場所の初優勝&横綱昇進が絶望的となった。
痛恨の黒星を喫した。稀勢の里は失意の中で支度部屋に戻ると、報道陣の質問に固く口を閉ざした。初優勝イコール綱とりの場所で、優勝が大きく遠のく3敗目。自分の置かれた状況を心の中で反すうするかのように、目を閉じ、唇を真一文字に結んだ。
11日目で3敗に後退。残り4日間に全勝すれば、まだ12勝まで星を積み上げられる可能性はあり、横綱戦を残す豪栄道がまさかの連敗でもすれば、数字上は逆転優勝の目がないわけではない。だが、見守った二所ノ関審判部部長(元大関若嶋津)は「横綱と当たっていないのに3敗でしょう。優勝争いは厳しいね」と、今場所の綱とりが消滅したことを示唆した。
とはいえ、12勝に到達すれば、来場所に綱とりが継続する可能性は残る。同部長は「12勝と11勝では違ってくる。来場所のためにも残り4つ勝って、ここで(綱とりが)切れないようにしてほしい」とエールを送った。