山口茜 奥原初撃破 リオ五輪リベンジマッチで過去6戦全敗の“鬼門”突破
「バドミントン・ヨネックスオープン・ジャパン」(23日、東京体育館)
各種目の準々決勝が行われ、女子シングルスは、リオ五輪代表の山口茜(19)=再春館製薬所=が、同銅メダルの奥原希望(21)=日本ユニシス=に2-0でストレート勝ちし4強入りを決めた。リオ五輪準々決勝の再現となった日本人対決で雪辱を果たした山口は、奥原からの初勝利となった。女子ダブルスは、高橋礼華(26)松友美佐紀(24)組がタイのペアに2-0で圧勝し、準決勝に進んだ。
山口が、ついに“鬼門”を突破した。五輪のリベンジマッチ。国際大会7度目の対戦で、全敗だった奥原から初勝利をもぎ取り「率直にうれしい」と頬を緩めた。山口にとって一番の難敵に勝ったからこそ、出てくる言葉はシンプルだった。
敗戦の度に毎回反省し、工夫を重ねたことがようやく結実した。リオでは攻撃的なプレーで第1ゲームを奪い「勝負できるイメージはできた」と自信をつかんだが、後半スタミナ切れで体が動かなくなった。
「(五輪では)全部全力でいってダメだった。今回は攻撃にメリハリをつけた」。教訓を生かし、ラリーで粘りながら要所で繰り出すスマッシュがさえ渡った。
奥原が五輪直後の調整不足で万全ではないのも承知の上だ。「正直チャンスだと思った。内容よりも、まずは一つ勝つことが大事」。東京五輪に向けて新たなステージに進み、「両親も見に来ている中で、勝つところを見せられてよかった」と笑顔を見せた。
前日、関係者と談笑している際、「奥原が勝っても予定通りだから、山口が勝った方がメディア受けする」とハッパをかけられた。多くは語らないものの「盛り上げ役は嫌いじゃない」と話す寡黙なエンターテイナーが主役の座を奪ってみせた。史上最年少で制して3年。2度目の頂点へ突き進む。