錦織、左臀部痛めて途中棄権 絶好調からまさか暗転…「受け入れられない」
「男子テニス・楽天ジャパンオープン」(5日、有明テニスの森公園)
シングルス2回戦が行われ、世界ランク5位で第1シードの錦織圭(26)=日清食品=は同34位のジョアン・ソウザ(ポルトガル)と初対戦し、第1セット途中で左臀部(でんぶ)を痛め、4-3で迎えた第8ゲーム途中に棄権した。10日開幕のマスターズ上海大会への出場は、検査結果と回復具合を見て判断する。
主役のまさかのアクシデントに、満員の会場は静まりかえった。絶好調から突然の暗転だ。錦織は最初のリターンゲームから立て続けに2つブレークに成功し、3-0とした第3ゲーム終了後、左臀部(でんぶ)周辺を押さえた。「徐々にではなく、どこかのショットで急に痛めた」。トレーナーの治療を受けコートに復帰したものの、相手のショットを追えなくなった。
4-3で迎えた第8ゲーム途中で「痛みが引かなかったので、やめることにした」と、今後も見据えて苦渋の決断。前兆がなかっただけに、「まだ悔しい気持ちもないし、信じられない。急に来た痛みなので、まだ受け入れられない」とぼうぜん状態で話した。
7月のウィンブルドン選手権では左脇腹を痛め途中棄権。今回との関連性について「臀部の痛みは初めてなのでわからない」としたが、この夏はリオ五輪銅メダル、全米4強、デ杯入れ替え戦とフル回転だった。国内唯一のツアー大会に懸ける思いは強かっただけに「誰しも疲れはたまっているが、久々に準備万端だったので悔しい」と唇をかんだ。
来週以降もマスターズ上海大会、スイス室内(バーゼル)、マスターズ・パリ大会への出場を予定しているが、「検査して回復具合を見ないと、来週も(出場可否は)想像がつかない」と不安を口にした。最終戦のATPツアーファイナル(11月、ロンドン)を目指すだけに「来週はどうにかしてでも出たい」と言葉を絞り出した。