「バレーボール・Ｖプレミアリーグ女子、ＰＦＵ３－１東レ」（３０日、東京体育館）

　５季ぶりの優勝を目指す東レが初戦に臨み、今季限りで引退を表明している木村沙織（３０）がフル出場し１３得点を決めたものの、初参戦のＰＦＵに敗れ黒星発進となった。エースの木村はアタック決定率が２１・６％にとどまり、「決定率が上がらず、単調な攻撃しかできなかった」と悔しさをにじませた。

　以前からリオ五輪を最後に引退を考えていたが、周囲の説得もあり翻意した。「リオでは成果が出せなかった。もう一度東レで、家族やお世話になった人たちに恩返ししたい」。リーグ戦を花道にすることを決意し、今月１０日付の自身のブログで引退を表明。「説得されたら気持ちが揺らぐタイプなので、シーズン終了後に気持ちが変わらないように、（引退を）スパッと言うことにした」と説明した。

　チームに合流し、練習を再開してから約１カ月。「間に合うか不安だったけど、コンディションは思ったより悪くない」と木村。「今日の試合（の内容）では辞められない。最近は優勝できていないので、まずは泥臭く目の前の相手に勝っていく。もう一度優勝して、後輩たちにも経験して欲しい」。４大会連続で五輪に出場してきた第一人者が、来年３月まで続く全国行脚で最後の勇姿を見せる。