錦織 チリッチに完敗 今季2勝目ならず
「男子テニス・スイス室内」(29日、スイス・バーゼル)
シングルス決勝で第3シードの錦織圭(26)=日清食品=は第4シードのマリン・チリッチ(クロアチア)にストレートで敗れた。今季4度目の準優勝で2月のメンフィス・オープン以来の今季2勝目はならなかった。錦織は相手の強打に押されて劣勢に立たされた。第2セットは互角の勝負に持ち込んだが、タイブレークの末に屈した。チリッチは今季2度目、通算16度目のツアー優勝。
試合後のベンチで頭を抱え、表彰式で顔をゆがめた。錦織は完敗で準優勝。「常に劣勢だった。今年5度目の決勝で、勝ちたい気持ちはいつも以上にあったが、今日は僕の日じゃなかった」とため息まじりにこぼした。
第1セットは二つのブレークを許し、わずか25分で一方的に奪われた。
第2セットは打ち合いでショットのテンポを変えるなど手を尽くした。相手のブレークポイントも7度しのいだ。そして5-4の第10ゲームには三つのセットポイントをつかむ。しかしラリーで押し込まれ、最後はタイブレークで競り負け「一番悔やむのは、その3ポイント。攻め急いだのもあるが、あまり自信がなかった」と肩を落とした。
負傷明けで決勝まで勝ち上がり底力を示したが、わずかな満足感は完敗のショックにかき消された。