「ラグビー親善試合、日本代表２０－５４アルゼンチン代表」（５日、秩父宮ラグビー場）

　ジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチ（４６）体制での初戦は昨年Ｗ杯４強のアルゼンチンに２０－５４で完敗した。通算対戦成績は日本の１勝５敗。１０月２０日に胆管細胞がんのため死去した元日本代表監督・平尾誠二氏（享年５３）の追悼試合。白星こそ贈れなかったが、平尾氏が代表で背負った「１２」を左袖に着けた桜の戦士たちは試合終了間際、執念のトライで弔った。“平尾魂”を継ぐ新生ジャパンが２０１９年Ｗ杯日本へ発進した。

　終始劣勢だった中で、意地の２トライを奪った。後半１２分、ラックからナンバー８のマフィがインゴールに飛び込み、新体制初トライをマーク。昨年のＷ杯に続いて新体制でも中心選手の期待を担う２６歳は「（初トライは）ファンのみなさんもチームメートも喜んでくれたし、うれしかった」と頬を緩めた。

　そして、試合終了間際に輝きを放ったのは、期待の新戦力だ。７人制のリオデジャネイロ五輪で４強入りの原動力となり、この日が１５人制代表デビューとなったＷＴＢレメキが、圧巻のスピードで右サイド約４０メートルを切り裂き、代表初トライ。「すごい気持ち良かった！」と、破顔一笑。１５人制については「人が多くて、どこに走っていいか分からない」と対応途上ながら、底知れぬポテンシャルを見せつけた。