宇野 世界王者に逆転され2位もGPファイナル1番乗り
「フィギュアスケート・ロシア杯」(5日、モスクワ)
フリーが行われ、男子はショートプログラム(SP)首位の宇野昌磨(18)=中京大=がフリー2位の186・48点、合計は自己ベストの285・07点で2位に入り、2季連続のGPファイナル(12月・マルセイユ=フランス)進出を一番乗りで決めた。SP2位の世界王者、ハビエル・フェルナンデス(スペイン)がフリー1位となり逆転優勝。田中刑事(倉敷芸術科学大)は7位だった。女子はSP7位の松田悠良(愛知・中京大中京高)がフリーで6位に入り、合計177・65点で6位。村上佳菜子(中京大)は11位に終わった。
明るい口調と苦笑いにくるんだつもりの本音を隠しきれなかった。宇野は世界王者フェルナンデスにフリーで逆転を許して2位。「久々に早く帰って、練習したいという気持ちがある。今はすごく悔しい」と口にした。
予兆はあったという。試合の時にわき上がる、特別な力の感覚が訪れない。「すごく緊張して、心臓がばくばくして、何をやるにしても体の動きが速くなる。今回はそれがなかった。いつもより体が動いていないのが分かったので、すごく不安だった」と明かした。
序盤の4回転フリップと4回転トーループは成功したが、後半は連続ジャンプで転倒するなど低調に終わった。“異変”の理由は「分からない。僕も聞きたい」とつかめないままだが「悪い状態の中でまとめられた」と前向きな材料を挙げた。
「これが糧になればいい」。一番乗りで進出を決めた12月のGPファイナル。苦い経験を苦いままで終わらせる気はない。