青学初V アンカー・一色執念の激走で逆転 3冠に王手!
「全日本大学駅伝」(6日、熱田神宮~伊勢神宮・8区間106・8キロ)
27チーム(オープン参加2を含む)が出場して行われ、昨年2位の青学大が5時間15分15秒で初制覇、10月の出雲駅伝に続く優勝で来年正月の箱根駅伝と合わせた3冠に王手をかけた。青学大は3区から7区まで2位だったが、アンカーの一色恭志(4年・豊川)が首位の早大を逆転した。2位には早大、3位に山梨学院大が入った。連覇を目指した東洋大は来年のシード権獲得ぎりぎりの6位に終わった。
フレッシュグリーンのタスキが伊勢路に映えた。先頭でフィニッシュラインを駆け抜けた一色が、原晋監督(49)が、2区で先頭を奪取した田村和希(3年・西京)が3度宙を舞う。「気持ち良かった。学生は本当に頑張った」。初の学生駅伝日本一に、指揮官は胸を張った。
一度は2区で首位に立ちながら、3区以降は早大の後塵(こうじん)を拝し、アンカーの一色にタスキが渡った時点で先頭とは49秒差。だが、青学が誇る絶対的エースには重圧も気負いもなかった。「何秒差でも追いつくことが僕の仕事だった」。ペースも意識することなく感覚のまま早大を追い掛けると6キロで追いつき、そのまま突き放す。15キロ過ぎからは脱水気味で足がつりそうになりながらも、執念でゴールした。
体を突き動かしたのは前回の悔しさと執念だった。昨年、当時の主将・神野大地(現コニカミノルタ)が2位でゴールした瞬間、今度は自分が8区を走るという気持ちが固まった。「あの悔しさをもう一回味わうのは嫌だった」。帰りの特急電車で原監督に直訴。志願の区間で雪辱を果たし、エースとしての責任を全うした。有言実行、期待通りの走りに原監督は「瀬古さん以来のスーパースター」と賛辞を贈った。
いよいよ残るは箱根駅伝。一色は「2区しか考えていない。1時間6分台を目指したい」と意気込み、原監督は「チャンスがあるので、勝つべき時に勝ちに、狙っていく」と宣言。3連覇、そして史上4校目の大学駅伝3冠へ挑む。