真央涙…自己最低となる9位「自信が全て失われた」
「フィギュアスケート・フランス杯」(12日、パリ)
フリーが行われ、女子で浅田真央(26)=中京大=は自己最低の9位に終わり、12月のGPファイナル(マルセイユ)進出を逃した。フリー10位の100・10点、合計も自己ベストを約55点下回る161・39点だった。15歳の樋口新葉(わかば、東京・日本橋女学館高)が3位、永井優香(東京・駒場学園高)は10位。SP首位の世界女王エフゲニア・メドベージェワ(ロシア)がフリーも1位でGP2連勝となった。男子はハビエル・フェルナンデス(スペイン)がSP、フリーともに1位で制し、ファイナル進出。無良崇人(洋菓子のヒロタ)は5位だった。
自分に対する怒り、ふがいなさ、悔しさ-。さまざまな感情が演技後に涙となってあふれ出した。ジャンプが軒並み2回転にとどまり、主要大会で自己最低の9位。浅田は「自信が全て失われた」とうつろな表情で語った。ショックはありありと伝わってきた。
冒頭のダブルアクセル(2回転半)は決めたが、続くフリップ-ループの連続3回転は、最初のフリップが2回転で単発に。その後もルッツ、サルコー、フリップがすべて2回転になった。予定していた6度の3回転ジャンプのうち、成功といえるのは最後の3回転ループだけ。しかし、それも着氷が乱れて軽く手をついた。
「滑りもジャンプも、全てがしっくりはまっていない感じがした」。SP8位からの巻き返しどころか、フリーの自己ベストを42・61も下回ってしまった。代名詞のトリプルアクセル(3回転半)を回避しても、慢性的に痛みを抱える左膝を含めた体調は上がらない。「自分の調子を上げていかないと」と口にしつつ、道筋は闇の中だ。
「自信がつくまでやるだけ。自分を信じてやるしかない」との言葉が重苦しさを増す。キスアンドクライでは必死に笑顔を見せたが、表情にもこれまでの余裕が失われている。
次の舞台は12月の全日本選手権(大阪)。「自分が望んで復帰してきた選手生活。もう一度その気持ちを奮い立たせてやりたい」。言葉には悲壮感も漂う。「この悔しさを忘れないで、自分が滑れるありがたさを感じながら滑りたい」。必死に前を向いたが、復調の波は遠ざかるばかりだ。