錦織圧倒発進!世界3位ストレート撃破 自画自賛の「多彩なショット」

 「男子テニス・ATPツアーファイナル」(14日、ロンドン)

 シングルスの1次リーグA組で世界ランキング5位の錦織圭(26)=日清食品=は同3位のスタン・バブリンカ(スイス)にストレート勝ちし、白星スタートを切った。世界1位のアンディ・マリー(英国)は同7位のマリン・チリッチ(クロアチア)を6-3、6-2で振り切った。1次リーグは4人ずつ2組に分かれて総当たりで争われ、各組上位2人が準決勝に進出する。

 1時間余りで勝負を決めると、錦織は充実した表情で右拳を握った。本来の躍動感あふれるテニスで四大大会3度の優勝実績があるバブリンカにブレークポイントを一度も許さず、圧倒した。「死の組」と呼ばれる激戦の1次リーグA組初戦を力強く踏み出し「多彩なショットを織り交ぜて手堅いプレーができた」と声を弾ませた。

 第1セットは2-2の第5ゲームで最初のブレークに成功。粘り強い守備からリズムを引き寄せ、最後はラリーで左右に振って畳み掛けた。左膝に不安を抱える難敵が、武器とする片手打ちバックハンドとサーブに苦しむのをよそに重圧をかけ続け、ミスを誘った。

 第2セットも強打に対抗し、準決勝で逆転負けした全米オープンの失敗を繰り返さなかった。

 3年連続の出場で「ここにいるのが当たり前と感じる」とトップ選手の貫禄を漂わせる。リオデジャネイロ五輪で銅メダルに輝き、全米で2年ぶりのベスト4に入ったシーズンの締めくくり。最終戦の成績次第では世界ランク3位に浮上する可能性もある。日本のエースは「4位か3位で終わることが最大の目標」と決意を示した。

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