白鵬 史上3人目1000勝達成! 最速93場所最年少31歳
「大相撲九州場所・3日目」(15日、福岡国際センター)
横綱白鵬が魁聖を上手投げで下し、3連勝で千代の富士、魁皇に続く史上3人目の通算1000勝を達成した。序ノ口デビューから所要93場所は千代の富士の117場所を上回る史上最速で、外国出身では初の偉業。31歳での達成も千代の富士の34歳、魁皇の37歳を大きく上回る若さ。綱とりの大関豪栄道は嘉風を突き落として3連勝。大関とりの関脇高安は新小結御嶽海を逆転の首投げで下して連敗を免れた。
数々の記録を塗り替えてきた大横綱が、また歴史に名を刻んだ。通算1000勝達成。場内に優勝したかのような歓声が起こる中、白鵬が喜びいっぱいの表情で花道を引き揚げた。「来ているのを知らなかった。サプライズ」という家族からの祝福も受け、「最高です。こんなの久しぶりですから」と満面の笑みを浮かべた。
記念の星をつかんだのは貫禄の横綱相撲。立ち合いで魁聖の巨体をガッチリ受け止めると左上手を取り、強引な寄りをしのいで豪快な上手投げを決めた。所要93場所という驚異的なペースで到達した史上3人目の大台。「偉大な両力士が1000勝。魁皇関とは同じ土俵に立って、達成したときはすごいなと思ったんですけど、3人目に自分がなるとは思っていなかった」と感慨深げに話した。
だが、足取りは順風満帆だったわけではない。01年夏場所の序ノ口初土俵は黒星で始まり、3勝4敗の負け越しで終わった。今では「負けから始まった。いいドラマが出来たね」としみじみ振り返る。
今年は、1000勝まで残り13勝で迎えた名古屋場所で右足親指と左膝を痛めて10勝に終わり、翌秋場所は全休。最後に苦しみを味わったことに「ケガもあったけど、今ここに立ってみれば、いろいろ乗り越えて達成できたのは、ひと味もふた味も違う」と喜びをかみ締めた。
前人未踏の境地を歩む大横綱は「地位が人を作る。15年のうち3分の2が横綱。負けてはいけない。そういう立場ですから、自ら奮い立たせている」という。次の目標は「1001勝」だ。