豪栄道 綱とり崖っぷち2敗…一度は軍配上がるも行司差し違えで痛恨黒星

 「大相撲九州場所・8日目」(20日、福岡国際センター)

 大関豪栄道は関脇隠岐の海に押し出され、痛恨の2敗目を喫した。行司差し違えとなる微妙な判定で初の綱とりは崖っぷちに立たされた。横綱鶴竜は小結玉鷲を下手ひねりで退け、ただ1人の全勝を守り自身6度目のストレート給金。1敗で横綱白鵬、日馬富士、平幕石浦の3人が追う。大関とりの関脇高安は4敗目を喫し、三役で直近3場所33勝の条件に届かず大関昇進は絶望的になった。

 結果だけが欲しい豪栄道には非情の通告だった。物言いがつき協議の末、勝負審判の友綱審判部副部長(元関脇魁輝)は「豪栄道の体(たい)が先に落ちている」と説明。行司差し違えで、隠岐の海の勝利に覆った。

 館内がどよめく中、無表情で引き上げた大関。一度は軍配を受けながらの痛恨2敗目。「何とも言えない。分からない」と言うしかなかった。同副部長は打ち出し後、「豪栄道の体が土俵になかったという判断。片方の足が土俵の下まで落ちていた」と断言した。

 綱とりは崖っぷちとなった。6日目に玉鷲に初黒星を喫してから、リズムは狂った。この日も左を差したが上体を起こされ、後退して首投げも不発。土俵際で投げを打つ執念は最後、届かなかった。

 「内容は良くない。ちょっとバタバタしている。立ち合い、フワッと立っている」と、修正できないままだ。

 八角理事長(元横綱北勝海)は「気持ちの弱さが出た。でも、終わったわけじゃないから。3横綱を倒せばいいくらいの気持ちでいけばいい。優勝のかかっていた先場所よりプレッシャーはないはず」と、開き直っていくことを求めた。

 トップを走る鶴竜とは2差に広がり、後半戦、上位との連戦がスタートする。9日目はいきなり大関稀勢の里と“新旧綱とり対決”だ。「振り返っても仕方がない。集中してやるだけ。気合入れてやりますよ」。もう1敗もできない戦いに、上だけを向いた。

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