錦織 ジョコビッチに完敗 「とてつもなく悪かった」今季最終戦は3連敗で幕切れ
「テニス・ATPツアー・ファイナル」(19日、ロンドン)
年間成績上位8人による今季最終戦、シングルス準決勝で世界ランク5位の錦織圭(26)=日清食品=は5連覇を狙う同2位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)に1-6、1-6で完敗し、初の決勝進出はならなかった。世界1位のアンディ・マリー(英国)は同4位のミロシュ・ラオニッチ(カナダ)に5-7、7-6、7-6で逆転勝ちし、初の決勝(20日)に進んだ。
今季最後の試合は、ほろ苦い内容だった。錦織が打ち勝つ場面はほとんどなく「何一つできることなく終わってしまった。自分がとてつもなく悪かった」とため息をついた。
肉体と精神の両方で連敗のダメージがあった。1次リーグ第2戦では、A・マリーに3時間20分の激闘の末に惜敗。さらにチリッチ(クロアチア)戦はフルセットに持ち込まれ、逆転負けした。
影響は持ち味のショットの精度に出た。ラリー戦に持ち込んでも要所でミスが続出。第1、第2セットとも三つずつブレークを許した。
自らのミスで失ったポイントが相手の2倍の24に及んでは勝ち目がない。ジョコビッチ戦は10連敗となり「彼の攻撃力に手が出ないところがあった。大きな差があると感じる」と改めて厳しい現実を突きつけられた。
16年の締めくくりで、3連敗の幕切れ。「いい終わり方ではなかった。生き返るには、もう少し時間が必要かな」と自虐的な笑みを浮かべる様子に、ショックの大きさがにじんだ。