稀勢の里、白鵬撃破で逆転初Vへ望み 23日に全勝鶴竜と激突
「大相撲九州場所・10日目」(22日、福岡国際センター)
大関稀勢の里が横綱白鵬を寄り切りで破って2敗を守り、勝ち越しを決めた。白鵬を2敗に後退させ、無傷10連勝でトップを走る横綱鶴竜とは2差をキープし、11日目に激突する。1敗は横綱日馬富士、平幕石浦の2人となった。
息詰まる激戦を最後は稀勢の里が制した。立ち合い、左からのおっつけで攻め立てた。逆襲を食らったが、土俵際でこらえると、左を差した。右上手に力を込めてこん身の寄り。白鵬が観念したように土俵を割った。
勝因を問われると「思い切っていったところ」とキッパリ。「(左が)うまく入ってくれた。相撲を取りきることだけしっかり。(最後の寄りは)ああなれば慌てないこと」と納得顔で振り返った。
横綱日馬富士と並ぶ年間65勝目。何度も壁になってきた天敵・白鵬の年間最多勝を9年連続で途切れさせた。
3場所連続の綱とり挑戦は先場所10勝に終わり振り出し。新たな綱とりの主役となった豪栄道の夢は前日に砕いた。“俺を忘れるな”とばかりに連日、稀勢の里の意地が光る。
横綱鶴竜とは2差をキープし、11日目に直接対決を迎える。「しっかり一日一日。集中して自分の相撲を取ることが大事」。勝てば逆転初Vも視界に入ってくる。