東京五輪会場計画見直し 元サヤ決着か ボート・カヌー、競泳はほぼ計画通り
20年東京五輪・パラリンピックの会場計画見直しで、国際オリンピック委員会(IOC)、大会組織委員会、東京都、政府の4者のトップ級会合が29日、都内で行われた。都の調査チームが示した見直し対象3会場のうち、ボート・カヌーは「海の森水上競技場」、競泳は「五輪水泳センター」を費用削減に取り組みながら、新設することが決定的となった。「有明アリーナ」(江東区)の新設か、既存の「横浜アリーナ」(横浜市)の活用かで難航しているバレーボール会場について小池百合子都知事が、結論の先送りを提案し、了承された。
結局、“元サヤ”なのか。国内外の約300人の報道陣が集まる中、始まった注目の4者トップ会談だったが、冒頭で小池知事は、ボート、カヌー会場は「海の森水上競技場」を新設、水泳も「五輪水泳センター」を新設する方針を表明。両会場とも費用削減に取り組むものの、会場そのものは現計画のままという形に落ち着いた。
焦点となったバレーボール会場については、現計画の「有明アリーナ」と、既存の「横浜アリーナ」かで調整が難航しているため、12月25日までの結論先延ばしを提案して了承された。ただ、都の改革チームが提案する「横浜」案は、組織委、IOCから“集中砲火”を浴びた。
組織委の森会長は「私の知りうる情報では横浜は(国際、国内の競技団体に了解を得ずに提案されていることに)迷惑していると聞いている」とピシャリ。小池知事は「賛同してもらっている。期待しています」と話すにとどまり、やや劣勢に立たされた。
また、IOCも横浜案に難色。デュビ五輪統括部長は「関係各所すべての承諾を取らないといけない。それは立候補の時点でお願いしている作業。やるとなれば一生懸命やりますが」と、皮肉を交えてけん制した。バレー会場が有明になれば、3会場すべてが現計画のまま。“小池劇場”は空回りで終わる可能性が出てきた。