照強 新十両の誓い 被災地を明るく照らす!
日本相撲協会は11月30日、福岡国際センターで大相撲初場所(来年1月8日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議を開き、阪神・淡路大震災が起きた1995年1月17日に、兵庫県洲本市で生まれた照強(21)=伊勢ケ浜=と、坂元改め大奄美(23)=追手風、力真(21)=立浪=の3人が新十両に昇進した。再十両は若乃島(32)=芝田山=と希善龍(31)=木瀬=の2人。
1995年1月17日から22年となる来年の初場所。特別な日に初めて、関取として土俵に上がる。福岡県太宰府市内で会見した照強は「勝ち越して(17日を)迎えたい」と快進撃を誓った。
地震発生から15時間後、震源地に近い兵庫県洲本市の病院で生まれた。南あわじ市で育ち、物心ついたころ、すでに復興は本格化。小学4年から中学3年まで通った地元の道場にも震災の爪痕はなかった。
「神戸の人とか関西地区の人が頑張ってきたので。それに負けじと自分も頑張りたい」。復興のエネルギーを、自身への刺激に変えてきた。
身長168センチ、体重112キロの小兵。横綱日馬富士や大関照ノ富士の胸も借りて、力を蓄えてきた。1日100番近い猛稽古は当たり前。幕下に上がって4年半以上を要したが、西幕下9枚目だった九州場所を7戦全勝で制し、十両を手繰り寄せた。
しこ名には「周りを明るく照らすように強くなれ」という意味が込められている。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)の「今度は『猛猛稽古』になる」という予告に「覚悟しています」と表情を引き締めた。しこ名の通り、力強い相撲で白星を連ね、22年目の被災地を照らしてみせる。