空手界のきゃりーぱみゅぱみゅ号泣2連覇 王者のプレッシャー「想像以上」
「空手・全日本選手権」(11日、日本武道館)
個人戦が行われ、女子組み手決勝は、10月の世界選手権で68キロ超級金メダルの植草歩(24)=高栄警備保障=が、山田沙羅(大正大)を1-0で破って2連覇を果たした。
勝利の瞬間、植草の目から大粒の涙がこぼれた。連覇が懸かる中で、初戦から薄氷を踏む試合展開が続き、5試合中4試合が1点差以内(1試合は判定)の辛勝。決勝も学生女王と死闘を繰り広げたが、最後は得意の中段突きをさく裂させた。
「昨年みたいにパーッと勝って、もっとキラキラした選手になりたかったけど、1試合1試合苦しかった」
東京五輪の追加種目に決まり、一躍シンデレラガールとなった「空手界のきゃりーぱみゅぱみゅ」。注目度が増す中で、この日は天皇陛下がご観覧。さらに観衆も過去最多の1万1000人となり、3階席には立ち見客があふれた。その中で、世界女王として未体験のプレッシャーに襲われた。
「今日は調子が悪くて苦しかった。注目を重圧にはしたくなかったが、前年王者、世界王者のプレッシャーは想像以上だった」
東京五輪の金メダルを目指し、真のエースとなるべく自覚も芽生えた。「東京五輪ではもっと重圧が懸かる中で勝たないといけない。どんなに調子が悪くても、絶対に勝ち続ける強い選手になりたい」。泥臭くとも勝利をつかみとる。