御嶽海また金星 母が見守る中、鶴竜引かせて撃破「いいところ見せられた」

 「大相撲初場所・4日目」(11日、両国国技館)

 西前頭筆頭の御嶽海が横綱鶴竜を押し出しで下し、今場所2日目以来、通算2個目の金星を挙げた。横綱白鵬は小結栃ノ心を寄り切り、大関稀勢の里は松鳳山を突き落として4連勝。全勝は平幕の佐田の海と貴ノ岩と合わせて4人となった。横綱日馬富士は荒鷲を下して連敗を2でストップ。大関照ノ富士は勢に敗れ、早くも3敗となった。

 母が見守る前で、2つ目の金星をつかみ取った。立ち合いで強く当たった御嶽海は突っ張り合いにひるむことなく前進。根負けした鶴竜が引いたところを逃さず、執ように前に出て押し出した。2日前の初金星に続き、今場所2度目の座布団の雨を浴びた。

 「引かせたら少しだけ勝機があるぞ」。この日の朝、師匠出羽の海親方から受けたアドバイス通りの展開に「自分の相撲を取れたのがよかった。その勝機を逃さずものにできた」と満足顔。八角理事長(元横綱北勝海)も「素晴らしかった。いなしとかはたきとか一切ない。立ち合いの一発がよかった」と絶賛する相撲内容だった。

 この日はフィリピン出身の母マルガリータさん(46)が地元の長野県上松町からバスで訪れて観戦。母の観戦時は「(勝つことが多い?)そうでもない」とのことだが、「1つ目の金星は素直にうれしい。2つ目の金星は、お母さんが見に来ていたので、すごくうれしい。いいところを見せられた」と満面の笑みを浮かべた。

 元アマ横綱のホープも幕内8場所目。経験を重ね、「今は楽しめている。最初の場所は緊張でいっぱいだった」と余裕が出てきており、審判部副部長の友綱審判長(元関脇魁輝)も「気迫の面でも勢いがある。かなり成長しているんじゃないか」と目を細める。

 それでも、自身は「勝ってるからって有頂天にならず、自分の実力を見直さないと」と心を緩めることはない。5日目の相手は4連勝の稀勢の里。難敵を突破して“御嶽海旋風”を起こせるか。

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