陸上女子短距離の福島がプロ転向表明 東京五輪へ心機一転「より一層努力」

 陸上女子100メートル、200メートルの日本記録を持つ福島千里(28)が20日、所属する北海道ハイテクACを退団し、プロ転向する意向を表明した。クラブを運営する専門学校も退職した。福島は同校を通じて「2020年東京五輪に向けて競技力の向上はもちろん(100メートルで)日本女子初の10秒台を目標にして、より一層努力する」とコメントし、強い決意をにじませた。

 福島は日本女子で56年ぶりの100メートル代表となった08年北京から昨夏のリオデジャネイロまで3大会連続で五輪に出場。しかし集大成と位置づけたリオ五輪は大会直前に左太もも裏に違和感を覚えて100メートルを欠場。200メートルも予選落ちと不完全燃焼に終わった。

 「同じ4年間はもうこりごり」と言うほど鍛えてきただけに失意も大きかったが、昨秋に現役続行を明言。練習メニューを自ら組むなど、自立心の強いスプリンターは32歳で迎える自国開催の五輪を目指し、新しい環境で心機一転を図る。

 体操男子の内村航平や陸上男子短距離のケンブリッジ飛鳥らもリオ五輪後、所属先を離れた。有力選手はもともと競技に専念できる立場だが、プロとして複数企業から支援を受けられれば環境がさらに充実する可能性もある。日本女子短距離の期待を一身に背負ってきた福島が、新たな挑戦に踏み出す。

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